【美酒】
さて、次は美酒について語らねばならない。
まず、リストをご覧いただこう。
- 長珍 禄 純米大吟醸 17BY
- 勲碧 大吟醸原酒 全国入賞酒 17BY
- 作 雅乃智 源之酒 純米大吟醸 17BY
- 善知鳥 大吟醸 16BY
- 善知鳥 大吟醸 17BY
- 喜久泉 大吟醸 17BY
- 田酒 純米大吟醸 17BY
- 十四代 大吟醸 中取り 17BY
- 磯自慢 純米大吟醸 中取り40 17BY
- 尊皇 幻々 大吟醸 山田錦雫酒 17BY
- 義侠 純米大吟醸40%生 特別栽培米 16BY
- 出羽桜 大吟醸 2003 14BY
- 美丈夫 大吟醸 つるし斗瓶 15BY
- 十四代 新本丸 18BY
- 白岳仙 しぼりたて吟醸 生生 18BY
- 翠露 吟醸山田錦 17BY(多分)
- 飛露喜 特別純米かすみ酒 18BY
- 御湖鶴 純米おりがらみ 18BY
- 春の生一本 特別純米 18BY
以上が正式出品酒。
以下は、店主の研究目的の自家酒をオマケ出品。
- 而今 純米吟醸五百万石18BY
- 三重錦 雄町50純米中取り火入れ17BY
- 初駒 純米吟醸 華宝17BY
- 陸奥八仙 特別本醸造無濾過 瓶火18BY
- 若竹 立春搾り
- 岩木正宗 純米大吟醸 奥津軽17BY
- るみ子の酒 純米7年熟成
- 若竹 本醸造
- 悦凱陣 手造り本醸造 神力
- 陸奥八仙 純米吟醸 中汲み無濾過生原酒18BY
なんと、合計29種類。ニクい品揃えである。
「ウコンの力」のアナウンスの意味がわかろうというもの。
今回はブラインド評価ではなかったので、ラベルを見ながら、ひらすら利く事になった。料理も並行して楽しむので、忙しい。
最後に、各自気に入った銘柄を5種類選択して、報告したが、今のところ、結果の公表がされていないので、参加者全体の評価は不明である。
《筆者寸評》
- 香り有り、甘い入口で厚みもあり、バランスのとれた味、苦味はあるが底に抑えられている。後口は僅かに辛味。
- 軽い入口で広がりがありバランス取れているが、酸味が抑えられている。枯れた感じ、後口も軽い。
- 軽い吟香、口に含むと広がり有り、調和した味で苦味辛味もあるが抑えられている。後口は軽い辛味。
- 軽い香り、入口は軽く広がる。甘く軽い世界。熟して枯れた感じ。
- 香りはあまり感じない。入口は軽く、広がりがあり、味のバランスがよく偏りがない。16BYに比べ味に厚み丸み滑らかさが在る。
- 香りはあまり無い。軽い入口で広がり有り。厚みも比較的薄いので味がすぐ終わる。後口はよいが、残味は軽い苦味。全体として酸が少ないか?
- 香りはあまり無い。味の厚み・酸味がある広がりはあまり感じない。後口は良い。
- 香りはあまり無い。広がりのある調和した味、スッキリとしている、丸みはあまり感じない。後口は軽い苦味でスッキリ切れる。
- 吟香有り、甘い入口、バランスの取れた味で旨みもあるが、後口の前にアルコールの味があり、苦味も軽くある。残味は苦味。全体として甘苦。
- 軽く広がり有り、バランスの良い世界である。酸は薄く、甘苦系だが抑えられており、後口はよい。
- 香りはあまり無い。丸みのあるバランスの取れた味、残味は苦味が残る。
- 広がりのある大吟醸の世界、味の厚みがあり、熟成した味わいがあるが、枯れた感じはない。
後口に苦味が表面に浮いているのが惜しい。
春菜の天麩羅のほろ苦さが出羽桜に評価に影響を与えたのかも知れない。
番号入りの限定酒、もう一度飲んでみたい気がする。
- 吟香有り、はっきりした派手な感じ、15BYとは思えない。甘く、酸味、苦味と移り、残味は苦味系。
- 十四代らしい甘くふくらみのある世界。
- 霞酒。甘く苦味がある、新酒の風味のある生酒。
- バランスの取れた味で、旨い酒である。残味は苦味系。
- 丸みのある味、旨み有り。
- 新酒らしい麹の味。
- 新酒らしい味。苦味あり。
- 香り高く広がりのある吟醸の世界。酸味有り、麹の味有り。
- 軽い入口、ピリ感有り。
- 酸味のある味。
- 厚みのある味。
- 酸っぱい、酸味系の新酒の味。
- 甘く厚みのある味。キレはよい。
- 熟成酒。薄い茶色。達磨正宗系の熟成方向。紹興酒の香り。
- こなれており、熟成している感じ。
- スッキリしている。
- (飲み忘れ評価不能。)
筆者のBEST5の報告は以下とした。
E:善知鳥 大吟醸 17BY
A:長珍 禄 純米大吟醸 17BY
J:尊皇 幻々 大吟醸 山田錦雫酒 17BY
C:作 雅乃智 源之酒 純米大吟醸 17BY
H:十四代 大吟醸 中取り 17BY
この5銘柄は、評点がすべて9点で同点、序列はなく、同順位である。
- 田酒 純米大吟醸より善知鳥のほうが香り、広がりの面でより吟醸酒らしく感じられる。善知鳥は16BYより17BYの方がよく、熟成には向かないのかも知れない。
- 愛知の酒が2銘柄、三重の酒が1銘柄になったのは、思わず近隣への肩入れがあったのかも知れないが、一級品であることは間違いない。ブラインド評価であった場合は、どのような結果か興味深いが、変わらない気もする。
- 十四代 大吟醸 中取り 17BYは、周囲の人が異口同音に、十四代らしくないと評していた。新本丸のほうが十四代らしい世界である。大吟醸は、十四代の世界と言うより、善知鳥の世界に近い。十四代の方が、後口がスッキリ切れる点はあるが。ブラインド評価した場合、十四代を知っている人は、多くの場合、この大吟醸を十四代とは思わないであろう。
美酒と美味しい料理に取り囲まれた宴にも、残念ながら終わりが来る。
二次会が金山駅周辺で開催されるとの店主の話がある。
たちこま氏は意気軒昂であるが、明日は月曜日である、軟弱な筆者は辞退して帰途についた。
もうこれで、十分幸せなのだから。
《春菜酒食値千金》
- 如月の宴に集う田酒かな
- 白葱に勝れる香りぞ醤油豆
- 蕗のとう苦味増しけり出羽桜
- 車海老甘く善知鳥を汲む今宵
「安兵衛で日本のお酒を楽しむ会」の報告は、これでお終い。
お急ぎでない方は、次の筆者雑感にお進み下さい。