1階に用途の推測の難しいタンクがあった。
質問すると仕込み水のタンクであった。
萬乗醸造は仕込み水を地下水ではなく名水を汲みに行っているそうであり、その保管タンクである。
場所は明らかにされないが、名水として知られているところだそうで出発から帰着まで3時間かけて仕込み水を準備するとのことである。
仕込みタンクには階段が設置され、タンク間を降りることなく移動することが出来るようになっている。
攪拌は昔ながらの櫂である。これが一番良いとのことであった。
タンクはすべて温度調節が可能な、サーマルタンクである。
搾りは袋搾りの特殊な限定酒を除きすべてヤブタである。
ここにも九平次らしさがあり、ヤブタのある部屋は冷蔵室になっている。
醪の最終段階で、醪が最高の状態に搾るのであるが、その時の温度は5℃である。これを常温のヤブタで搾っては酒質に良くない。矢張り、適温の5℃で搾るべきであるとして、ヤブタ自体を5℃にしているとのことである。合理的である。
槽を使わないのは、手間が掛かる割に酒質には良くない。
槽の場合時間が48時間かかり、その間に酒質に影響がある。
ヤブタは24時間で搾ることが可能で、より酒質維持が可能である。
保管タンクである。澱引き用のタンクである。
搾り後1週間が澱引き期間。
瓶詰め機。
搾り後2週間目に生酒で最高の段階で火入れを行う。
熟成はタンクでは行わない、すべて瓶貯蔵である。
瓶燗機である。
桶、盥では温度管理が難しく温度ムラが出来てしまうので、68℃の温水を循環させて温度が68℃に保たれるようにしている。
貯蔵は、すべて冷蔵機能付きのコンテナ保管である。
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