【蔵見学】
講義のあとは蔵見学である。
見学は建物の配置順に回ったので、造りの工程とは異なるが、ここでは、造りの工程順に並べ替えて説明する。
洗米は手洗いである。竹笊で15kgづつ洗い、浸漬時間も計測して行っている。
蒸しは、甑で行っている。初めて観た萬乗醸造独自の甑である。
和釜+金属製の甑ではなく、機械式の自動甑でもなく、木製の甑である。
金属の甑では外側に「甑肌」と呼ばれる蒸しの良くない部分が出来るので、使用しない。杉の木の甑が一番である。
写真撮影禁止であったので、紹介できないが、確かに蒸し上がりの良い適湿な蒸しが可能なように思われた。
この様なところに「醸し人九平次」らしさが存在する。
建物2階の麹室である。
かなり広い面積の室である。麹室は見学できないこともあるが、今まで見学した中で最も広い麹室である。
部屋内には保熱用の電熱線が張り巡らされている。
作業台である。
夏場の時期を利用して保全管理が行われている。
防腐等の目的のため、床には古来の柿渋が塗られている。
麹を手入れする麹箱。
麹箱は二人用のものと、一人で作業が出来る小振りなものと2種類用意されている。
建物の隅に置かれていた麹蓋。
現在は使われていない。すべて麹箱によるとのことである。
2階の片隅に、萬乗と酒望子の化粧樽が置かれていた。
酛室。
酵母を絞り込んでいるためか、あまり広くはない。
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