今日も暑い日になった。
こんなに暑い日なのだが蔵見学である。
倒れそうに暑い日にわざわざ出掛けるにはそれなりの理由がある。
それは、この萬乗醸造は消費者にとっては幻の蔵であり、この機会を逃すと、次は見えないからである。
幻の蔵が何故見学できるのか?
幻が現に成った経緯は、こんな事らしい。
過日行われた、酒泉洞堀一主催の「がんばれ!日本酒in名古屋」に萬乗醸造の蔵元九平次氏が参加されており、その場で日本酒の会sake nagoyaのI氏、H@P氏が必死になって口説いて、口説いて...
何回口説いたか直接聞いていないので判らないが、漸く許諾をいただいたそうである。
この様な苦労の結果、現になった機会を見逃すことは出来ないのである。
流石に参加希望者は多く、本日の参加者は限定15名の抽選に勝ち残った人達である。
JR東海道線の豊橋行きに乗り、大高駅改札口を出ると、それらしき人たちが既に集まっていた。殆どが日本酒の会の顔馴染みの方達である。
大高駅は今回が3度目である。過去2回も蔵見学であるが、萬乗醸造は初めてである。大高には、蔵が3つ目と鼻の先にあり、狭い地域に蔵が3つもあるのは、今時珍しいし、文化的な意味も大きいものがある。
山盛酒造と神の井酒造の見学については、日本酒の会の体験報告に掲載されている。
体験報告「山盛と神の井の蔵見学(2007/2/25)」
大高駅を出て駅前の道路を横断し、旧市街にはいる。
2月頃の蔵開きとは違って大変な暑さである。
歩いているだけでも太陽の直射日光にクラクラする。今日は夏の甲子園愛知県大会の決勝戦の日、高校球児達はこの暑さの中で熱闘を繰り広げている。ただ歩くだけで音を上げている場合ではない。
前方の店舗に大きな暖簾が涼しげに風に揺れていた。
大高は鳴海の文化圏である。流石に鳴海絞りの暖簾である。
死んでしまいそうな暑さの中、絞りの暖簾が風に揺れているのは、中々良い風情である。
前回は入れなかった「萬乗醸造元」の看板の掛かった門から中に入る。
門からすぐの処に事務室があり、その前に昔の陶製の化粧樽が並べられていた。七本鎗も同じような陶製の樽があったが、戦前の一時期であろうか流行ったものであろう。
左奥に蔵の建物が並んでいる。
寛政元年(1789年)創業の老舗蔵元である、建物は当時のものかどうか判らないが、由緒を感じる建物である。
【日本酒造りの講義】
蔵見学の前に、講義がある。
造りの時期には酒米の置き場になる空間に、テーブルを並べ、醸し人の中川さんから日本酒・醸し人九平次について説明をいただいた。
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