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日本酒の会 sake nagoya 「酒蔵見学」合宿(京都・伏見)の報告

とき:2012年3月24(土)~25(日)
酒蔵:齊藤酒造(京都市伏見区横大路三栖山城屋敷町105)を中心に
ウェスティン都ホテル京都 『地酒フェスタ~京の地酒とうまいもん~』

筆者が注文したのは、天ぷらそば。
そばは真っ白な更科そば、細いがコシがあって食感が良い。
タレも色は黒く濃い色だが、枯らせてあり刺激的でなくまろやかで後口サッパリである。

天ぷらそば

美味しい蕎麦だった。
おすすめできる店。

つるや食べログページ
http://r.tabelog.com/kyoto/A2603/A260302/26004776/

 

つるやから出て、宿までは歩き。
途中鴨川にかかる橋を歩いた時、川端の柳が新緑の目を川面に垂らしていた。
今日は朝から、定めのないお天気で春時雨そのものだった。
雨に霞む鴨川の青柳は古都の風情を感じさせるものだった。

宿

宿所の若葉家旅館は旅籠というイメージの宿だ。

風呂に入りさっぱりすれば、それから又、各自持ち寄りの酒で酒宴が始まる。
日本酒の会の合宿なので夜宴は恒例のことではあるが、兎に角よく飲む参加者である。
途中疲れて眠っていた人も復活して、飲み・語るうちに夜はさらに更けていった。

今日は、名古屋を出て都に上り、酒と歴史を訪ねて回り、飲み疲れ・歩き疲れたハードな一日だった。
明日もまた、我々は京都都ホテル主催の京都の酒蔵23蔵を集めた地酒フェスタに参戦の予定だ。
めげること無く、気力・体力のあらん限りを尽くして、酒を探求するのが我々の心意気なのだ。

(一日目のレポート:Y)

 

 

<2日目>

合宿2日目だ。
昨日はチェックインが夜中になり気付かなかったが、旅館の玄関の横に居酒屋が併設されている。ここが朝食会場だ。
築100年の宿。炭屋や柊屋に泊まったわけではない。戦災にあっていない京都の町家はこんな建物も多いのかもしれない。部屋は襖で仕切られただけで風呂もトイレもない。古い町家を転用した感じの宿ではあるが、割りきって考えれば1泊朝食付き6,500円。これなら十分だ。

朝食

今日の午前中は自由行動、正午からウェスティン都ホテル京都で開催の『地酒フェスタ~京の地酒とうまいもん~』への参加である。それぞれ京都東山は聖護院近くの宿を後にする。

宿を後にする

 

『地酒フェスタ~京の地酒とうまいもん~』

ウェスティン都ホテル京都は、もともと近鉄資本の老舗ホテルで、多くの国賓も迎えている。今回の行事はホテルの主催で、参加蔵は、竹野酒造(丹後)、白杉酒造(丹後)、招徳酒造(伏見)、丹山酒造(亀岡)、羽田酒造(京北)、ハクレイ酒造(宮津)、佐々木酒造(上京区)、松井酒造(左京区)、月桂冠(伏見)、山本本家(伏見)、齊藤酒造(伏見)、宝酒造(伏見)、北川本家(伏見)、京姫酒造(伏見)、玉乃光(伏見)、都鶴酒造(伏見)、増田徳兵衞商店(伏見)、黄桜(伏見)、豊澤本店(伏見)城陽酒造(城陽)、キンシ正宗(伏見)、松本酒造(伏見)、向井酒造(伊根)の23蔵。187種(うち、有料試飲7種)が、前売り2,500円、当日3,000円で、試飲できるという企画だ。

地酒フェスタ

<会の運営などについて>

わざわざ京都まで試飲会に来たのだから少し気づいたことを書いてみる。
第一に今回の会は、試飲会と割り切っているように思われる点だ。挨拶なし。ツマミなし。ビンゴのようなゲームなし。お土産なしである。まあ、ツマミについては、希望すれば、200円~400円で京都らしいツマミも購入できるが、参加してみると各蔵のブースを順に回るのだから、あまりツマミは必要ない。むしろ、客側としては食事やツマミがないため、試飲に集中できるし、蔵側もサービスに専念できたことだろう。また、このことと関連して低価格での開催も有り難い。

会場

次に運営の手際の良さである。小売価格と簡単なコメントが記された資料の配布や、間口の広いブースでの効率的な対応も、人のハケが早いこととなり好感が持てた。人のハケは、開催時間とも関係があるかもしれない。開催時間は、正午から午後6時までとゆったりしており、時間をかけて各社のブースを落ち着いて回ることができた。
また、試飲容器などについても評価したい。試飲容器はプラコップの場合が多いが、今回はワイン用のグラスで、濁りなどを飲んで器が汚れた場合は、各ブースで交換できた。
あと、有料試飲も7種類ほどあったが、これらはほとんど古酒で試飲を希望する人は限定されているのだから適切な選択である。

試飲風景

<出品内容などについて>

今回、伏見の酒を中心に京都府の日本酒をまとまって飲む機会を得た。後から不明を恥じることになるかもしれないが、三点ほど気づいたことをまとめてみたい。

先ず一点目は、「女酒」と言われることについてである。伏見の酒は昔から灘の酒と比較して女酒と呼ばれ優しい呑口が特徴と言われている。しかし、今回伏見の酒全般を飲んで感じたのは、軟水系とはいえ全国の中で比較すれば、やはりミネラル分を感じる酒となっていることである。女酒というのは、あくまで灘との比較の話で、軟水ではなくやはり中硬水での仕込みなのだろう。

二点目は、今回の行事では各社とも従来からの大吟醸、純吟、特純、などのラインアップ以外に甘酸っぱい日本酒や梅酒などのリキュール類、焼酎など、生産する品目の幅が更に広がっていることである。今回はその上に、クエン酸を多く作る白麹菌を使ったものもあった。これは、口に含むと独特の酸味があり従来の日本酒とは印象が異なるが大変魅力的だった。

従来、会の合宿は、いわゆる地酒の蔵元に見学をお願いして実施してきたが、今回は、蔵開放に合わせて大手の蔵を訪問することとした。参加いただいた皆さんの印象はどのようなものだったのだろうか。蔵や銘柄にはそれぞれ個性があり、コンセプトがある。材料や水など製造上の条件をいかに生かすかこのことが大切である。この点は伏見の酒をまとめて唎くことができたことは大変有意義だった。しかし、残念なこともある。それは作り手たちの思いを聞けなかったこと。
人との出会い。これもまた酒の妙味である。

(二日目のレポート:T)

 

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