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日本酒の会 sake nagoya 「酒蔵見学」(冨田酒造)の報告

とき:2008年3月2日(日)
酒蔵:冨田酒造(滋賀県伊香郡木之本町木之本1107)

搾りの工程である。

搾りは槽(ふね)とヤブタ式と両方あり、槽は吟醸酒、ヤブタは主に純米酒で搾るが、純米酒を槽で搾ることもある。

 

澱引きは、酒質に合わせて行う。生酒は澱を引かないこともある。ヤブタで搾る場合は、原則1回澱引きを行う一引き、槽で搾る場合は2回澱引きする二引きである。

濾過については、ゴミ取りのフィルターを掛けるのみで炭は使わない。無濾過が原則である。
火入れは、上槽後の味の推移を見てみて行う。火入れのタイミングを誤ると酒質に影響が出るので、重要である。

醪タンクである。
温度管理のために、冷蔵ジャケットを巻いたり、冷却ホースを巻いたりしてあるタンクもあり、タンクの壁が二重になっており、間に冷却水が注入できるジャケットタンクもある。

蒸し場である。
機械式の甑を使用しており、この蔵で最も機械化が進んでいる工程である。
蒸気の湿度、圧力が調整できるのが機械の長所である。乾燥した蒸気を出すことが出来るのでさばけの良い蒸しが出来るとのことである。
19BYは気候の影響か米が硬くて、玉栄の場合通常30分の浸漬時間だが、1時間30分にしたそうである。硬い米だったが溶かす造りをしているので、粕は少ないとのこと。

 

階段を上がった2階が酛場になっている。
麹つくり、酛関係は2階で行われる。

麹箱である。

麹室は1段高いところに階段を上がってはいることになっている。左半分は昨年から増床されたとのことである。

麹室の右隣が枯らし部屋である。

北国街道のこの辺りは山の麓を通過して地面が傾斜しており、蔵の敷地全体が勾配を持っているため、搾り場とタンク室の間に勾配調整のために段差が設けてある。
全体として、蔵の敷地に制約があるために、各工程を工夫して行っている昔ながらの造りの蔵である。
基本的に手作業による造りのため、各工程で手を入れることも可能で酒質の管理にはかえっていい影響を与えていると思われる。

 

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