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日本酒の会 sake nagoya 「酒蔵見学」報告(丸一酒造)の報告

とき:2015年12月12(土)
酒蔵:丸一酒造(愛知県知多郡阿久比町大字植大字西廻間11)
http://www.sake01.co.jp/

 

平成17年ごろsake nagoyaに神谷尚宏さんは参加していた。もともと酒販店に生まれた彼は日本酒が大好きで勉強のため、会に参加いただいたとのことである。その後、岡崎の蔵で修業した後、「ほしいずみ」の丸一酒造に入社。前杜氏の木村伸一氏のもとで修業し、木村杜氏の退社に伴い26BYから杜氏に就任された。

神谷杜氏の勤める丸一酒造は、阿久比町植大にある。植大といっても知多半島在住以外ご存知ないだろうが、名鉄河和線の阿久比駅から2駅。ホームからは、広々とした田圃を見渡せるのどかな田園地帯である。この駅から古い住宅の密集するなだらかな丘陵を上ったところに丸一酒造がある。HPによると蔵の所在する阿久比町は、良質なコメの産地で、現在でも夏の夜には蛍の群舞が見られるという。そんな自然豊かな阿久比町に、丸一酒造は、大正6年に創業された。

丸一酒造は、酒造時期にはよくマスコミで取り上げられ、また、美酒欄など県酒造組合が主催する行事への参加も多いことから、愛知県ではよく知られた蔵である。更に華やかな香りとスッキリとした優しい口当たりでフアンも多い。そして「ほしいずみ」という「たおやめ」と言ってもよい優しい名前は、繊細・上品とは間違っても言えない「名古屋メシ」の世界では、異彩を放つ。冗談はさておき、忘れてはいけないのは、平成21年から7年連続で全国新酒鑑評会で金賞を受賞していること。確かな技術を保持しているのである。

杜氏に就任し二造り目となり、造りも安定してきたということで、酒造の本格化する直前の12月。特にお願いし古いメンバー有志で蔵見学にお邪魔した。

 

語る神谷杜氏
「今までも造りは楽しかったが、杜氏になったらもっと楽しくなった」と語る神谷杜氏。現在は少数精鋭、3人態勢で造りを行う。

 

奥が甑。手前は放冷機。
奥が甑。手前は放冷機。高温蒸気で一気に蒸し上った米は、知多の風で適温まで冷やされる。

 

洗米は麻袋で手洗いする。
使用米の中心は若水。洗米は麻袋で手洗いする。麻袋での洗米は優しく割れにくい。細かなところにも丁寧な造りを心掛ける。

 

麹室は2階。
麹室は2階。75キロずつに分け、3人で担ぎ上げる。綺麗で味のあるお酒ができるようを麹造りは伏見で修業した。

 

現在は小仕込みのタンクを中心に仕込む。
現在は小仕込みのタンクを中心に仕込む。伝統型酵母を使いながら、いかにリンゴや洋梨の様な香りを出すのが腕の見せ所。

 

純米・辛口の醪を試飲
純米・辛口の醪を試飲させていただく。フレッシュでジューシーな世界が口一杯に広がる。

 

清掃が行き届いた蔵内。
清掃が行き届いた蔵内。生産量は現在200石ぐらい。「丁寧な造りができる範囲で少しずつ増やしていきたい」

 

試飲
①本醸造(あいちのかおり70%)、②純米(あいちのかおり・若水60%)、③純米(②の酵母違い)、④純米大吟醸(五百万石50%)、⑤辛口純米(②と同じ)を試飲させていただく。搾りたては、1日、2日でどんどん味が変わっていくと言う。

 

記念写真
お忙しいところ大変お世話になりました。

 

神谷杜氏は、地元知多産の若水や、阿久比産の夢吟香など地元米に拘り、香りのイメージを大切にしながら、香りと味のバランスのとれた、料理の邪魔にならない酒を造っていきたいと語る。多くの有名先輩杜氏から激励の声も届いていると伺う。
今後の活躍を期待したい。(T)

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