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日本酒の会 sake nagoya
「定例会」報告

日時:2024年11月15日(金)
場所:和食処 おか 1階(名古屋市中区丸の内三丁目)
テーマ:熟成酒とピチピチのお酒
参加者:29名

 

今回のお酒(順不同)

銘柄
/ 種別
/ 使用米・精米歩合
/ 酒造年度等
製造
(産地)
購入
価格
(容量)
把握する
銘柄取扱店舗
参加者のコメント
彩來
/純米吟醸 無ろ過生原酒
/国産米 ・ 50%
/-
北西酒造
(埼玉県)
3,300
(1.8L)
酒泉洞堀一 透明の酒色。微かに発泡感がある。フルーティな香り、重くならない甘味、程よい酸味でバランスが良い。辛味、くっきりした旨味、苦味がありメリハリの利いた、やや濃厚な飲み口。 9
天美
/特別純米 生原酒
/国産米 ・ 60%
/製造2024年10月
長州酒造
(山口県)
3,630
(1.8L)
酒泉洞堀一、酒の岡田屋 ごく薄い黄金色の酒色。発泡感がある。リンゴや桃、ブドウを思わせるフルーティな香りがある。甘味が強いが爽やかな酸味もあり、バランスよくジューシー。中盤からはほろ苦さもあり、味を引き締める。よく冷やして楽しみたい。やや飲み疲れるという意見も。 8
赤武
/F NEWBORN 生酒
/国産米 ・ 60%
/製造2024年10月
赤武酒造
(岩手県)
3,190
(1.8L)
吉田屋、酒泉洞堀一、荒川酒店 発泡感がある。ごく薄い黄金色の酒色。メロン、洋梨、桃のような甘い香りがある。甘い入口ながら発泡感のため意外と辛く楽しめる。滑らかで軽い苦味の押し感がアクセント。最後は甘い余韻で終わる。よく冷やして楽しみたい。 7
十四代
/純米吟醸 播州白鶴錦 生詰
/兵庫県産白鶴錦 ・ 50%
/製造2013年6月
高木酒造
(山形県)
-
(1.8L)
調査中 い黄金色の酒色。フルーティな香り、麹の香りがある。ふんわりとした甘味と酸味のバランスが良い。辛口ながらきれいな旨味がじんわりと広がる。最後はほろ苦さを感じさせながらきれいに収まっていく。穏やかで落ち着きのある飲み口。 5
義侠
/五百万石純米原酒 生酒
/富山県なんと農業共同組合五百万石 ・ 60%
/製造2024年10月
山忠本家酒造
(愛知県)
3,025
(1.8L)
サケハウス、リカーワールド21シバタ、知多繁 ほか おりがらみ。僅かに発泡感がある。接着剤、メロン、ブドウの香りがありフルーティ。先ず、辛味と共にスッキリした酸味と旨味が口中に広がる。中盤からはほろ苦さがコクを感じさせ、強めのアルコール感と共に切れていく。やや重いという意見も。 1
花陽浴
/純米吟醸 無濾過生原酒 THE MATCH おりがらみ
/国産米 ・ 55%
/製造2024年3月
南陽醸造
(埼玉県)
4,510
(1.8L)
酒泉洞堀一、荒川商店 おりがらみ。微発泡。洋梨や桃を思わせる香りが華やか。甘味を中心としながら辛味もしっかりしており、コクを感じる。甘すぎず最後はすっきり切れていく。 6
豊盃
/純米吟醸 直汲み生原酒
/国産米 ・ 55%
/製造2024年10月
三浦酒造
(青森県)
4,400
(1.8L)
富屋酒店 透明の酒色。ブドウのようなフルーティな香りがある。アタックは甘味を感じるが、その後辛味や酸味が顔を出しバランスの良いスッキリ、爽やかな飲み口。最後は程よい切れ感で締めくくる。 10

/越前特撰 純米大吟醸 氷温熟成
/兵庫県特A地区契約栽培山田錦 ・ 38%
/製造2024年3月
加藤吉平商店
(福井県)
6,600
(1.8L)
知多繁、あさい商店、地酒処くりもと ほか 薄い黄緑色の酒色。洋梨のようなフルーティな香りがある。甘く滑らかな口当たりで熟成感は低い。バランスがよく、さわやかですっきり、あっさりして綿菓子をイメージさせる。甘い余韻が口中に広がる。 3
菊姫
/山吟原酒 山廃仕込 熟成酒 平成十三年度
/兵庫県三木市吉川町(特A地区)産山田錦 ・ 55%
/製造2023年11月
菊姫合資
(石川県)
9,790
(1.8L)
酒の中島屋、知多繁、リカーワールド21シバタ ほか 黄金色の酒色。熟成した香ばしい香りがある。滑らかな入口の後、強めの辛味を感じる。中盤はきれいな旨味が口中に広がり、最後はきれいな旨味と強い苦味で締めくくる。燗を試してみたいという意見多数。 4
千瓢
/純米大吟醸 熟2021 千瓢再建
/国産米 ・ 40%
/-
水谷酒造
(愛知県)
4,000
(1.8L)
リカーワールド21シバタ、ごとう屋、酒のひろせ 黄金色の酒色。香ばしい熟成香がある。熟成酒らしい甘味があるが、辛味も強くキレがよい。中盤からは強めの苦みを感じさせながら旨味の後味を残す。熟成酒らしいきれいであっさりした飲み口。燗でも試してみたい。 2

(注)この評価は、単に参加者の感想を集計したものであり、他意はありませんので、ご了承ください

(コメント)

「熟成酒とピチピチのお酒」お楽しみいただけたでしょうか。
熟成酒については常温保存の場合は色や香りからすぐわかります。しかし、氷温で長期熟成された場合は、全体の味のまとまりとか落ち着いた感じとかそんな部分の変化になります。なかなか貴重ですので、たまに蔵開放で出会うとついつい飲みすぎてしまいます。
とは言え、そんなことは個人の好みで、グレードが高いとかいう問題ではありません。ピチピチのお酒はピチピチのお酒の楽しみ、熟成酒には熟成酒の楽しみがあります。燗酒なら常温からどん燗、そして苛め抜いた高温まで様々な温度で表情が変化していきます。日本酒を楽しむとはそういうことを楽しむ遊びのようなものと思っています。
11月5日に文化庁から、「日本の「伝統的酒造り」が、ユネスコ無形文化遺産(代表一覧表)に記載することが相応しいとの勧告が評価機関からなされた」との発表がありました。ユネスコの無形文化遺産とは、国際的な保護を必要とするで伝統工芸技術や社会的慣習といった形のない文化を対象とするもので、今回の対象は「杜氏・蔵人等がこうじ菌を用い、日本各地の気候風土に合わせて、経験に基づき築き上げてきた、伝統的な酒造り技術」を対象とするものです。
日本各地で長い時間をかけて形成された「伝統的酒造り」がユネスコに登録されることで世界でより注目を浴び、そして国内では未来につなげていこうとする意識が高まっていくことでしょう。
現在の国税庁による日本酒に対する厳しい規制が正当化され「守る」というところに力点が置かれるのではなく、時代の要請の中でより良く変化していくことを願って止みません。
40年以上アルコール飲料を飲んでいると若者の嗜好がどんどん変化していくことを感じます。その中で「良い酒」というものも当然変わっていきます。その点を高齢者として十分踏まえておかないといけないと強く思っています。
難しいことはさておき、今回の勧告は注目を浴びることですので、先ずは素直に喜びたいと思います。なお、今回の勧告を踏まえ、12月2日から7日の間に最終決定がパラグアイで開かれるユネスコの政府間委員会でなされる予定となっています。
さて本題に戻り、12月の定例会のテーマは「スペシャルなお酒」。今年最後の定例会をお楽しみに。(T)

 


美味しいものイロイロ


お刺身3種


串焼き


つくね


ソーセージ


〆は、あんかけきしめん

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