top>活動状況>定例会2016年>5月

日本酒の会 sake nagoya 「定例会」の報告

日時:2016年5月20日(金)
場所:旬彩処かのう(名古屋市中区三の丸一丁目)
テーマ:「搾り」
参加者:52名

 

今回のお酒(順不同)
銘柄
/ 種別
/ 使用米・精米歩合
製造
(産地)
購入
価格
把握する
銘柄取扱店舗
参加者のコメント
まんさくの花
純米吟醸 生原酒 「中ぐみ」
国産米 ・ 50%
日の丸醸造J
(秋田県)
3,348
(1.8L)
吉田屋、酒のなかや、知多繁
ほぼ無色で細かなおりが漂う。パインの様なフルーティな香りがある。甘、酸、苦、旨のバランスが「荒ばしり」「責めどり」より優れる。飲み口よく切れもよい。 2
東洋美人
一歩おりがらみ 本生酒 槽垂れ
国産米 ・ -%
澄川酒造場
(山口県)
3,240
(1.8L)
リカーワールド21シバタ、あさい商店
ほぼ無色で細かなおりが漂う。微発泡でトロピカルな甘い香りがある。口に含むと優しい甘さとバランスの良い酸味が心地良い。まろやかな味わいの後は魅力的な余韻が続く。 11
まんさくの花
純米吟醸 生原酒 「荒ばしり」
国産米 ・ 50%
日の丸醸造J
(秋田県)
3,348
(1.8L)
吉田屋、酒のなかや、知多繁
ほぼ無色で細かなおりが漂う。パインの様なフルーティな香りがある。滑らかな甘味と控えめな酸、苦み、渋みが程よいバランスで爽やか。飲み口が良く、最後の切れもよい。 1
雁木
純米 無濾過生原酒 槽出あらばしり
山田錦 ・ 60%
八百新酒造
(山口県)
2,916
(1.8L)
調査中
ほぼ無色で清澄。バナナの様なトロピカルな香り、微かに糠の香りがある。甘味、酸味とも穏やか。味のまとまりが良く、アルコール感からか辛い。後半は苦味が広がり、後口はさっぱりしている。 10
まんさくの花
純米吟醸 生原酒 「責めどり」
国産米 ・ 50%
日の丸醸造J
(秋田県)
3,348
(1.8L)
吉田屋、酒のなかや、知多繁
ほぼ無色で細かなおりが漂う。パインの様なフルーティな香りがある。「荒ばしり」「中ぐみ」より米の旨味が強調され、苦味やエグミが強くコクがある。 3
松の司
純米吟醸 あらばしり
山田錦 ・ 55%
松瀬酒造
(滋賀県)
3,780
(1.8L)
知多繁、 酒のきまた、 酒の中島屋 他 ごく薄い黄金色の酒色で、清澄。微かにブドウやバナナの様な香りがある。落ち着いた甘味や酸味で旨味も少なく、きれい。アルコール感が強く辛い。終盤強い苦味が登場し締めくくる。 4
北島
純米吟醸 直汲み中汲み無濾過生原酒
美山錦 ・ 55%
北島酒造
(滋賀県)
3,024
(1.8L)
富屋酒店、オオタケ ごく薄い黄金色の酒色で、清澄。僅かに発泡感がある。パインや柑橘類を思わせる香りがある。落ち着いた甘味・酸味があり、辛くフレッシュな印象。最後は苦味が切れよく締めくくる。 6
仙禽
初槽 直汲み 中取り
山田錦/ひとごこち ・ 50%
せんきん
(栃木県)
3,348
(1.8L)
オオタケ、富屋酒店、酒泉洞堀一 ほぼ無色で微発泡。ヨーグルトの様な香りがある。「あらばしり」より旨味がたっぷりありそのためか酸は少し落ち着いて感じられる。白ワインをイメージさせる。 8
早瀬浦
純米 滓酒 浦底
国産米 ・ 55%
三宅彦右衛門酒造
(福井県)
3,456
(1.8L)
サケハウス 肌理の細かい濁り酒。醪の香りがある。濁りの甘味が感じられたあと、苦味、エグミが現れる。辛味が強く切れよく引いていく。 12
宮の松
特別純米酒 あらばしり生酒
国産米 ・ 60%
松尾酒造場
(佐賀県)
2,700
(1.8L)
調査中 ほぼ無色で細かいおりが漂う。独特の酸っぱい香りがある。ブドウのような甘味はあるが、酸味や旨味は少なく、味のまとまりが弱い。切れのよい白ワインのニュワンスを感じる。 5
仙禽
初槽 直汲み せめ
山田錦/ひとごこち ・ 50%
せんきん
(栃木県)
3,132
(1.8L)
オオタケ、富屋酒店、酒泉洞堀一 ほぼ無色。少し湿気たような香りや酸っぱい香りが気になる。味は「中取り」に比較してややピークを過ぎた感じで、苦味、渋味が終盤感じられる。 9
仙禽
初槽 直汲み あらばしり
山田錦/ひとごこち ・ 50%
せんきん
(栃木県)
3,240
(1.8L))
オオタケ、富屋酒店、酒泉洞堀一 ほぼ無色で微発泡。レモンの様な香りと糠の香り、ヨーグルトの様な香りがある。甘味や旨味が少ないので酸味は強く感じられ、軽く切れもよい。白ワインをイメージさせる。 7

五味

特徴

(注)この評価は、単に参加者の感想を集計したものであり、他意はありませんので、ご了承ください

(コメント)

様々な「搾り」楽しんでいただけたでしょうか。
さて、搾りというと2つのことが思い浮かぶように思います。
一つは、搾る方法。例えば出品酒に用いられる「袋吊り」、一般的なフィルタープレス型の自動醪搾り機(ヤブタ)、もう一つは醪を濾し袋に入れ槽で圧搾する方法です。今回のアイテムの中では、細かな「おり」が漂っていたお酒。自動搾り機の場合は、滓引きの必要がないようですので、多分、槽で搾ったものかなと思います。
もう一つは今回のテーマの、搾られて流れ出てくるお酒のタイミングの違い。自重だけで流れ出てくる「荒走り」、加圧して搾る「中垂れ」、濾し袋を積み替えて再度加圧する「責め」に区分されます。ボリュームはそれぞれ、荒走りは全体の60%、中垂れは35%、責めの酒は5%程度の割合で、酒質は荒走りは責めの酒に比較して、味が軽く雑味が少ない。責めの酒は、アルコール分が高く糖分の少なく、アミノ酸や鉄マンガンなどの金属成分はその濃度が高くなるといわれています。
今回の比較では、責めの酒はエグミだけでなく、中垂れから、袋を積み替え再加圧するまで1日かかるため、この時間の経過による醪成分の変化による香りの変化も意識できたのかなと思います。また、荒走り、中垂れに含まれるエキス分の違いから、酸味がマスキングされるかどうか、つまり、数字上では同じ酸の量でも他の成分により酸味を感じにくくなるということもはっきりわかったように思いました。
今回は「荒走り」「中垂れ」「責め」の違いを確認する会でしたので、通常は避けるマイナスにつながるコメントも、少しだけ拾わせていただきました。
閑話休題、次回は「酒米いろいろ」。是非違いを見極めてください。(T)



今月のテーマは「搾り」。肴は豚しゃぶサラダ(?)です。


難しそうなテーマですね。


三重のハマグリ鍋です。


三重の黒鯛、酒蒸しです。


こんな飲み比べも普段はできないですね。


最後はハマグリ鍋の出汁を使った雑炊でした。来月もよろしく!

戻る